匿名の写真展



2005 /ミクストメディア /作家個人蔵


2005 /ミクストメディア /作家個人蔵


2005 /ミクストメディア /作家個人蔵






この度はご多忙の中、本展をご覧頂き、ありがとうございます。


本展は匿名の若手作家による写真展であります。今回は、作家がこれらの記録写真を作品であるとの不確かな認識の提示、また作品はバリカンによってできあがるものなのだ、という二点を軸に展示を展開しております。言い換えれば、本質的に作品とは何なのか、そして作家性とは一体何であるのか?ということを我々に問いかける展示となっております。


作家は、何か素材に対して、ある状況を意識、無意識に関わらず設定、または見なすことで生まれる偶然の現象を丁寧に拾いだしています。この作品において作家は基本的に素材に手を付ける(制作)ということをしません。ただただ、バリカンに身を任すだけです。それから数ヶ月の後、結果的に、そこには共に生きることで育まれたフケやかゆみ、忘却や果てはナイスなスメルなどが生まれます。作家はその素材の一面を今回は写真というかたちで提示しています。本来ならば、作家の意図の提示を豊かなものにするために最終的に、素材自体を提示するべきでありましたが、日々変化して行く素材に対して、作家の頭皮がよく見える瞬間が素材性を最も表すだろうという了承のもと、バリカンと写真という形態に長い議論の末に落ち着きました。これらの偶然に起こった素材の記録を是非、楽しんでいただきたいと思います。


2005年11月6日 ギャラリー ヨン・ハチ・ヴイ



http://mhrs.jp/blog/archives/2005/10/2005.html



前回↓
http://d.hatena.ne.jp/hiko0707/20050529#p1