漬け物写真

写真が好きな知人は、「スナップ写真は撮りたくない」ってことを確か言っていたはずで
一枚一枚を撮る瞬間を大事にしているみたいな事を言っていた。彼は写真の作品を作っているんだけど
それはけっこういい作品だと僕は思っている。


写真よりはカメラに興味がある僕は、スナップ写真にもならないゴミみたいな写真を
ただカメラのシャッターボタンを押したいが為に撮り続けている。作品に使う事なんか
全く考えていなくて、ただそこに撮影したカメラの性能が映ってれば満足なのだ。


最近そのネガとL版のプリントをまとめてみたら5キロくらいあった。
データじゃなくて、重さで。


適当に押してたシャッターが、現像-プリントのプロセスを経て5kgの重量を獲得し、
今ここにこうして現れたのを見るとなかなか感慨深くもあるし、
なんて無駄な事をしたんだろう、とも思う。


この写真を何かに役立てるには、やはりこの重さを生かす方法が一番だ。
5キロの重さの写真は作品にはならないかもしれないが、ちょっとした
漬け物だったら石の代わりに置いて漬け物を作れそうだ。


しかし石で漬けた漬け物と、5kgの写真で漬けた漬け物では味に違いが出るのだろうか?
写真に映っているものによって、漬け物の味は変わるだろうか?


みたいな事を最近は考えている。のかもしれない。